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紫陽花(オルテンシア)~檻の中の花嫁~

第3章 炎と情熱の章③

 そのままグイと力を込めて突き入れると、この三日間ですっかり押し開かれ愛撫されることに慣れ切った入り口は難なく彼自身を受け入れる。
「あっ、いや―」
 美月が泣き叫び、駄々をこねる子どものように小さく首を振った。だが、晃司はそんな女の反応など頓着せず、一気に最奥まで挿し貫く。
「あ、やめ―」
 あまりの衝撃に、美月は泣き叫んだ。眼の前が真っ白になり、火花が散る。胎内を灼熱の塊でぐちゃぐちゃにかき回されているような痛みが襲う。
 しばらく後ろから繋がったままだった晃司が静かに動き始めた。
「痛みはやわらいだか? 少し中を突いてやろう」
 耳許で囁きながら、ゆっくりと腰を使い始める。やがて、その動きは次第に速くなり、晃司は彼自身を殆ど抜けそうなほど引いては、また、ひと息に置くまで突き入れる、そんな動きを繰り返した。
「あっ、ああっ」
 美月は男に背後から烈しく揺さぶられながら、嬌声を上げる。
 それは到底、自分のものとは思えないような甘い喘ぎ声に他ならない。
 晃司は抜き差しを繰り返しつつ、更に手を使って美月のたわわに実った胸のふくらみやその先端を揉みしだく。時には美月のひそやかな入り口の蕾を愛撫し、いっそう美月を悦楽の極限へと追いつめてゆくのだった。
 美月は自分の変わり様が自分で信じられなかった。尻を持ち上げた格好で男の方に突き出し、背後から犯されるという恥ずかしい体勢で、甘い喘ぎを上げ続けている―、それが今の自分なのだ。
 どれほどの刻が経ったのだろう、やがて、晃司がひとたびは引き抜いた彼自身で一挙に中まで勢いをつけて刺し貫いてきた。その一撃で、ついに美月はめくるめく官能の渦へと呑み込まれ、合わせるように晃司も美月の最奥で固く漲った己れ自身から、すべてを解き放った。
「随分と感じているようだったな。気持ち良かったか?」
 耳許で掠れた声が囁き、そっと耳朶を甘噛みされる。男に数え切れぬほど弄ばれた身体は、剥き出しになった乳首の先が褥にかすっただけでも、震えるような快感を感じてしまう。

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