紫陽花(オルテンシア)~檻の中の花嫁~
第3章 炎と情熱の章③
ぐったりと褥にうつ伏せていると、男の声が更に耳朶をくすぐった。
「たったの三日でこの変わり様は凄いな。三日前まで生娘だったのが信じられないほどの淫乱さだ。美月、お前はもうこれで俺からは永久に逃げられないぞ? これほど淫らな身体になったお前が男に抱かれずに我慢できるはずはないからな」
美月の眼に涙が滲んだのを見て、晃司は昏い笑みを零した。こうやって身体だけでなく、言葉によっても女を嬲り、居たたまれなくさせるのが、彼のやり方であった。
美月はそのまま浅い眠りにたゆたった。何しろ三日という間、ずっと褥から出ることも許されず、日がな男に抱かれ、犯され続けているのだ。烈しい交わりが重なり、美月は心身共に疲れ切っていた。
次にめざめた時、傍らで眠っていたはずの男はいなかった。美月はのろのろと身を起こし、しきりに気だるさを訴える身体を引きずるようにして立ち上がった。
褥の横に緋色の長襦袢が脱ぎ捨てられている。正しくは美月が自分で脱いだのではなく、晃司にはぎ取られたのだが。
初めて身体を開かされた翌日は、一日中、床から出ることどころか、この緋襦袢を着ることも許されず、ただひたすら男に抱かれた。
晃司は美月の着ていたワンピースや下着をどこかに隠しているらしい。二日めからは、この長襦袢だけを着ることを許された。だが、折角着ても、直にまた、晃司にはぎ取られ、脱がされてしまうことになる。
美月は、放り出されていた長襦袢を肩に引っかけると前を合わせることもせず、その場にしどけなく座り込んだ。
何もかもが空しい。男に嬲りものにされ続けて、生きる気力も希望もすべて奪い尽くされてしまったような気がする。晃司が美月から奪ったのは身体だけではなかった。人間としての誇りや尊厳といったものまでことごとく、あの男は壊し、滅茶苦茶にしたのだ。
晃司の目論見どおり、この身体は淫らに作り替えられた。何も知らない無垢な身体を晃司は幾度となく容赦なく責め立て、美月が泣いて赦しを乞うまで徹底的に弄んだ。
もう―、何もかもがおしまいだ。
一体いつになったら、ここから出られるのかも判らないし、万が一、出られたとしても、ずっとあの男の傍にいて、慰み者にされ続けるのだろう。
「たったの三日でこの変わり様は凄いな。三日前まで生娘だったのが信じられないほどの淫乱さだ。美月、お前はもうこれで俺からは永久に逃げられないぞ? これほど淫らな身体になったお前が男に抱かれずに我慢できるはずはないからな」
美月の眼に涙が滲んだのを見て、晃司は昏い笑みを零した。こうやって身体だけでなく、言葉によっても女を嬲り、居たたまれなくさせるのが、彼のやり方であった。
美月はそのまま浅い眠りにたゆたった。何しろ三日という間、ずっと褥から出ることも許されず、日がな男に抱かれ、犯され続けているのだ。烈しい交わりが重なり、美月は心身共に疲れ切っていた。
次にめざめた時、傍らで眠っていたはずの男はいなかった。美月はのろのろと身を起こし、しきりに気だるさを訴える身体を引きずるようにして立ち上がった。
褥の横に緋色の長襦袢が脱ぎ捨てられている。正しくは美月が自分で脱いだのではなく、晃司にはぎ取られたのだが。
初めて身体を開かされた翌日は、一日中、床から出ることどころか、この緋襦袢を着ることも許されず、ただひたすら男に抱かれた。
晃司は美月の着ていたワンピースや下着をどこかに隠しているらしい。二日めからは、この長襦袢だけを着ることを許された。だが、折角着ても、直にまた、晃司にはぎ取られ、脱がされてしまうことになる。
美月は、放り出されていた長襦袢を肩に引っかけると前を合わせることもせず、その場にしどけなく座り込んだ。
何もかもが空しい。男に嬲りものにされ続けて、生きる気力も希望もすべて奪い尽くされてしまったような気がする。晃司が美月から奪ったのは身体だけではなかった。人間としての誇りや尊厳といったものまでことごとく、あの男は壊し、滅茶苦茶にしたのだ。
晃司の目論見どおり、この身体は淫らに作り替えられた。何も知らない無垢な身体を晃司は幾度となく容赦なく責め立て、美月が泣いて赦しを乞うまで徹底的に弄んだ。
もう―、何もかもがおしまいだ。
一体いつになったら、ここから出られるのかも判らないし、万が一、出られたとしても、ずっとあの男の傍にいて、慰み者にされ続けるのだろう。