テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第11章 文化祭①〜雅×陸×瑠衣〜

思わず机の下に体をうずめるあたし。

両手で耳を塞いだままガクガクと震えてしまう。


「ご、ごめんなさいっ!ごめんなさいっ」


なにに謝ってるのかもわからないけど、とにかく謝れば許してもらえるはず!!

…なんて思って懇願していると。


「僕だよ!瑠衣だよ!」


塞いでいた耳元からかすかに聞こえる声。

え……瑠衣?


ひょこっと机から顔を出すと、目の前にいたのは驚きながらも心配そうに見つめる瑠衣の姿。


「大丈夫!?ごめんね?驚かしたみたいで…」


申し訳なさそうに俯く瑠衣に、あたしはぶんぶんと首を横に振った。

よ…よかったあぁぁ。


本当に出たかと思った……


「ふぇぇぇん…」


安堵の気持ちが我慢できなくて涙が出てきた。
えっ?ってびっくりした瑠衣だけど。

そっと手で涙を拭ってくれて。


そのまま、ぎゅーってあたしの体を抱き締めてくれた。


ぽん、ぽんと背中に瑠衣の手がリズム良く打たれる。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ