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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第19章 知らない雅の姿

ーside by 心乃ー

目の前にいる女の人に、あたしは目を奪われた。だって…


とっても綺麗な人だったから。


艶のある黒髪に、ぽってりとした唇。

まるで大和撫子のような、落ち着いた立ち居振る舞いの人だった。


「あら?可愛らしい方を連れているのね。初めまして?」


その女性は微笑みながらあたしにお辞儀をした。


あたしも慌ててあいさつをする。


「は、初めましてっ」


わー…

お辞儀する動作もすっごく綺麗…


そんなことを思いながら見入っているあたしに比べ、雅はなんだか暗い顔をしてる。


「でも…知らなかったわ。

大学でも大人気の北條くんに、



こんな彼女がいたなんて」


“こんな”の部分をやけに強めに言われたあたしは、ついさっきまでの見とれていた時間を少し後悔した。


この人…ちょっと怖いかも。

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