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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第19章 知らない雅の姿

「この子は知り合いの娘さんでして。

来年受験を控えているので大学見学を兼ねて連れてきたんですよ」


雅のありえない話し方に、あたしはびっくりしてしまった。


そもそもなんで敬語?


しかもなんかおしとやかな会話の仕方…


「あの…み、みや…」


名前を呼ぼうとしたあたしだったけど、雅が手を強く握ったことで止められた。


目を見ると、「何も言うな」という目。


あたしは黙ることにした。


「じゃあ彼女は恋人ではないのね。

ふふ、安心しましたわ。だって…







あなたには、わたしがいるんですもの」


えっ…


目の前の女性の勝ち誇るような笑みが、


あたしの心を強く痛ませた。

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