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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第21章 夕焼けの心

「ふふっ…ありがとう、陸」


「っ!!あ、あぁ。

そうやって笑ってろ。俺も雅も、瑠衣も…お前の笑顔が好きなんだからさ」


…笑顔。

そうだよね。あたしは小鳥遊心乃。


やると決めたらやり遂げるし、辛くても前向きにいけるところがあたしのいいところ。


うじうじなんてしていられない。


前を向かなくちゃ。


「うん!……ねぇ陸」


「ん?」


背中をぽんぽんと叩きながら、あたしを抱きとめていた陸は体を離した。


「辛いときはさ…

こうやってまた、話聞いてくれる?


ひとりでいたら、またうじうじしそうで…」


もじもじとしてるあたしに、陸はくしゃくしゃといつもみたいにあたしの頭を撫でた。


「わっ!」


「ひとり溜め込まねぇで、いつでも言えよ!俺が一緒にいるんだからさ、な」


いままで幼馴染でずっと一緒にいたから、陸は家族みたいなものだと思ってたけど…


頭をくしゃくしゃに撫でる大きな手。


陸だって、男なんだ…


そう思ったら、急にドキドキして…


「う、うん…」


なぜか陸のことを直視できないあたしだった。

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