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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第8章 天然くんの瑠衣

結局ずるずるとした気持ちのまま、気付いたら陸も一緒に住むことになって。


あまりに多くのことが起こっていて、他のことに集中できなくなっている。


でも、部活だって一生懸命やりたい。のに…


「あのさ、先輩」


口元を緩ませて声をかける瑠衣。


「いまのその気持ち、書いちゃえばいいじゃん」


………え。


いまの、気持ちを?

考えもしなかったことに、一瞬びっくり。


「なにに悩んでるかはわかんないけど…

そういう『むーっ』って気持ちをそのまま文にしちゃえば読者にも伝わるんじゃない?」


あたしの、そのままの気持ちを書く…

新しいことを考えよう考えようってしてたけど、無理に言葉を作るんじゃなくて素直に書けばよかったんだ。


そんなこと、入部したときに教えられたはずなのに…
すっかり忘れてた。

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