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甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第9章 ゆっくりと過ごす時間

そのテーブルの上には可愛らしいアンティークのカップが並んでいた。


「わぁっ!可愛いっ。これどうしたの?」


近くで見るともっと可愛さが増す。

カップの持ち手がハートみたいになっていて、カップにはアリスのイラストが描かれている。


これで紅茶を飲んだら…うわぁ、想像しただけで美味しそうっ!


「雅からもらった。練習して俺様に美味い紅茶でも入れろってさ。

あいつどんだけ俺様なんだよ…」


いや。

陸もあんまり人のこと言えませんけど?
あんたも俺様気質、あるから!!

…とは言わないでおいてと。


「じゃあ、これでいまから紅茶入れてくれるの?」


まぁな、と言ってあたしをイスに座らせ作業を始める陸。


茶葉を入れる姿や、軽食のサンドイッチをお皿に移す動きのひとつひとつが、本当に執事みたいで…


ワックスで固められた黒髪が、より一層執事の風貌を漂わせる。


……本当にプロの執事みたい。

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