テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第10章 メイドのお仕事②

とりあえず陸に残りの掃除を任せて、あたしは雅の大学へ迎えに行くことに。


自室にある全身鏡の前で何度も自分の姿を確認する。


「隣に並ぶだけの格好って言われてもなぁ…」


パンツスタイルが好みのあたしだから、上に革のジャケットでも羽織ってちょっとボーイッシュにしてみたけど。


雅の隣に歩く女性のイメージって、もっと上品な感じがするんだよなぁ…


「おい、心乃!早く行かねぇと雅に叱られっぞー…って」


ガチャっとノックもせずに扉を開く陸。

着替え終わってるからいいけど、ノックしろよ!


しかもじーっと黙ったままあたしの全身を見る陸。


「……お前らしい格好だな」


……………


フォローにもなってないわ!!


「うっさいなぁ!どうせ女の子らしい服なんて持ってないもん。

雅の隣歩くのにこんなんじゃなに言われるか……」


カッコよくて背の高い雅は、どんな格好をしててもそれを着こなしてしまう。

スーツのようなフォーマルなものも、普段の崩したカジュアルなのも、全部雅には似合っていて。


隣に並べるほどの格好なんて、あたしにはできないのわかってるくせに…


「こんなんじゃダメだぁ…」


いまにも泣きそうなあたし。

しゃがみこんで落ちそうな涙をこらえていると。


「バッカだなぁ、お前」


頭上から陸の声。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ