テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第10章 メイドのお仕事②

雅に言われた駅を降りると、改札を過ぎた大きな柱に寄りかかった彼の姿があった。


やっぱりオーラがあるからかな。

すぐ見つけられるよ。


「お待たせ!「遅い」」


…うわ。

すっごく機嫌悪い。
良い顔立ちのはずなのに、いまだけは悪人みたいな顔してる。


ひょえええっ。


「ご、ごめんなさい。着替えに手間取っちゃって…」


正直に謝ると、雅はふーんと言いながら全身を上から下まで見つめる。

…なんて言われるんだろう。


『まぁ、こんなもんか』とか?

それとも。

『もっと俺に合う格好してこいよ』なんて言われたりして……



「ぷっ」


ん??


“ぷっ”って……なんだよそれ!?


なにかしか言われると思って身構えていたのに、ただ単に笑われるとか恥ずかしすぎるわ!


「なっ、なんで笑うの?」


機嫌が悪いよりはいいけど、笑われるのもなんか納得いかないなぁ。


雅はお腹を抱えて少しうずくまるように笑いを抑えてる。


「ククッ…だってさ」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ