テキストサイズ

甘恋〜こ、こんなのあり?〜

第10章 メイドのお仕事②

いつもの雅と違いすぎて逆に戸惑うあたし。


「え、あ…じょっ、冗談だよっ。

そんなつもりじゃ…」


焦って弁解するあたしに、雅はぶはっとまた笑い出した。


「騙されんなよ!バーカ」


あっかんべーしてこっちを見る雅の表情は、本当に悪人面!!


さっきのごめんは演技かよ!


こいつ………

むっかつくぅぅぅ!!!


「もうっ、早く行くよ!」


あたしは雅を残し遊園地のゲートへと足を運ばせた。

そのうしろをパタパタと追いかける雅。


「待てよー。そんな拗ねんなって、な?」


あたしの隣に来た雅がぽんぽんと頭を撫でる。
手から伝わる温もりに、嫌でも胸がドキッとさせられる。


意地悪したかと思ったら急に優しくなるんだもん。

ほんと、ずるい。


まるで小さな子どもをあやすみたいによしよしと頭を撫でる雅に、ムカつきながらもほんのちょっと嬉しいあたしがいるのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ