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陽だまりの仮面 -嘘-

第7章 夕陽と泪味

ギュッと両手を膝の上でえ握り締め、目も堅く瞑り、

耳を研ぎ澄まして花木君からの回答を待つ。



「…………。」


「…………。」


「…………。」


「…………。」



な、長いっっ!!!

何?

この、蛇の生殺しみたいな無駄な沈黙時間!!

早くどっちか答えてよ!!



「おぉ――」



………え?



花木君の声に、思わず彼の方をバッと見上げる。

花木君は真正面の朱の空を見上げたまま



「流石、図書委員ですね」



え………っと…


そ、それって…………




「あ、当たり…なの?」




期待半分込めながら、オドオドしく花木君に問う。



「あのですね」


「は、はい」(ゴクッ)


「惜しいですねぇ」




――――はい?






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