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陽だまりの仮面 -嘘-

第7章 夕陽と泪味

お、惜しい……??

山田さんの本は惜しい??



思わず眉間に力は入る。



「て、ことは…」


「はい?」


「外れ、ですよね?」


「まぁ、そうとも言いますね?」


そう言うと、花木君は空から再びあたしに視線を流して

眼鏡を夕陽でほんの少し光らせながら



「罰ゲームですね、琉愛」



って言い放った声が、とても楽しそうに聴こえたのは


あ、あたしの気のせい?!!


しかも、こんな時だけニコリと笑う?!




ってか



「で、でも!!惜しかったんでしょ?」



そうよ。

惜しかったって言ったもん。



「ニヤピン賞的な感じになるんじゃないの?!」



世の中、沢山の本が出回ってる中。

沢山の作家さんが存在する中。



“惜しい”をゲットしただけでも



あたし、凄くない?!




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