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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

――――その結果。


“琉愛ちゃんは、優しい!”

“琉愛ちゃんはいい人!”



前の学校と180度違う印象を周りの人に与える事に成功。


ショートからロングヘアーに代わる頃には、あたしという人間は学校中の人から



“牧村琉愛は顔だけじゃなく、中身も抜群に良い女”



という、人間像になってた。


あたしとしては、花木君にだけそう思われたら良かっただけだったんだけれど

花木君の好みのタイプに自分を形成しただけなんだけれど




でも。



そんなあたしに花木君は……




結局、一目さえも見てはくれなかった。


彼はいつも本ばかりで。

黒縁メガネの奥の瞳はあたしじゃなく、本を捉えてて。




…まだ、近づけてないのかな?

まだ、彼の好みの女性になれてないのかな?


だとしたら、まだ頑張らなきゃ!





――で、今に至る。








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