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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

「あんたも良くやるよね~、っとに…」

「うっさい。」



お昼休み。

あたしの唯一の、学校内で気が抜ける瞬間。

この時間だけは取り巻きも近寄るなと言ってある。


…というか。



『近寄ったらシバくぞ』



砂羽が一喝したから、奴等は近寄らない。

なんとも頼もしい奴。



「毎日いい女の代表みたいな女を演じてるのに、なーんで不思議と性格は変わんないのかね?」



ニヤッと笑って、あたしの顔を覗き込んで来た砂羽のおでこを1発デコピン。



「ったぁ~!」


「性格を変える気はさらさら無いんだから変わるわけないでしょーが。
バーカ」


「なら素で行けばいいのに」


「それじゃ意味が無いからダメ」


「そうまでして“人気者”になりたいかねぇ~」



デカい口でパクリと総菜パンを頬張り

呆れた風な、理解出来ない風な言い方の砂羽。



“人気者になりたいから”



あたしが何故演じてるのか、砂羽に説明した理由が


コレ。





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