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陽だまりの仮面 -嘘-

第8章 夕陽と泪味 ②

「今日の所は引き下がるけど。

でも、琉愛ちゃん。

俺、諦めねぇから」


「ですから、“琉愛ちゃん”じゃなくて…「あ~!はいはい!!


じゃぁな、“琉愛ちゃん”!」


「…………。」



……いやいや。

爽やかげに手を振って去って行くなっつの。


思わず引き攣り笑いになるあたしに微笑を向け、橘は何事もなかったかのように口笛吹きながら

図書室から出て行った。





橘が出て行った事によって、図書室にもいつもの静寂さが戻った中


「だから、“琉愛”じゃなくてって言ったはずですけどねぇ…」


「…………。」


静か過ぎて、ボソリと呟く花木君の声が響き渡り




「~~~~~ッッ!!!」




その声で、自分が今花木君の腕の中に収まってる事を思い出し




どどどど、どうしよう!!?




一気に思考がテンパり始める。



プラス



ボッと顔が一気に紅潮。





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