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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

「―――――ぁ…」



花木君の姿をしっかり捕えた視線を、思わずパッと逸らす。

と、同時に歩んでた足も止まり、思わず植木の影に隠れる。



…どどど、どうしてもう来てんの!?



まさか、25分も前なのに来てるなんて誰が予想出来る?

あたしのここに辿り着くまでの、琉愛脳内シュミレーションでは


あたしが花木君を時計台の下で待つ。

きちっとしてる花木君は必ず5~10分前には来るはず。

時計台の下で待つあたしの姿を花木君は見つけて

『ごめん。待たせましたか?』

なんて、良くテレビで言ってるような

良く恋愛小説内で言ってるようなセリフを吐くの。

それに対して、あたしも良くある

『ううん!今来たとこ』

的なセリフを花木君にはにかみながら言うわけ。


『じゃぁ、行きましょうか』

『うんッ!』



みたいな流れを幾度となくシュミレーションしたのに…




したのにも関わらず、何!?この状況!




全く持っての想定外なんですけどぉぉぉおお!!?





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