テキストサイズ

陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

植木に隠れながら、時計台下の花木君をチラチラチラ見。

花木君はあたしを待つ事を想定してたのか、普段もそうなのか。

小さな本を片手に立っていて。

そんな姿さえもかっこよくて思わず見惚れてしまう。


制服姿じゃない花木君。


そんな彼を見るのは小学生以来。


――――当然。


あの頃の、幼い恰好からは全然変わってて。


…と言っても、花木君はTシャツに短パンとかそんな恰好ではなかったけれど。


なんていうのか…。


大人っぽいというか。


意外にも(?)ピンク基調のネルシャツに、濃い色の細身のジーンズ。

ハイカットのスニーカー。

いつものサラサラ黒髪ヘアーに、黒縁眼鏡。

普段も細いから長身に見えがちの花木君は、私服だと更に背が高く見えてしまって。


そんな花木君を隠れて見ながら




……カッコいい……




あたしの頭の中に浮かぶ言葉は、ただこれだけ。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ