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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

「琉愛も、何か読みたい本がありますか?」


街の中で1番大きな本屋へ着いた瞬間、花木君に聞かれたけれど

あたしが読む本って、ファッション雑誌程度しかないし。



「特には無いかな?」


そう返すと、“じゃぁ、こっち”とあたしの手を引っ張り目当ての本があるのか、その場所まで誘導してくれる花木君の後ろを、引っ張られるがままに付いてくあたし。


ここの本屋は常に人で溢れてるくらい人気の本屋で。

そんな人混みの中、手を繋いで歩くのも難しいだろうな…

と思ったあたしは



「花木君、歩き難いだろうから手、放していいよ?」


背後から言葉を投げ掛けてみたけれど、花木君に聞こえてなかったのかな…?

無反応のまま、手を繋いで歩く花木君にその後何も言えず。

ズンズンと人混みを突き進む花木君の背中を見つめながら歩き


辿り着いた先は



あたしが普段、一切立ち寄る事もなさそうな本がズラリと並んだ場所。


分厚くて、洋書なのか何なのか。

全部が英語で出来てるような本ばかりが並ぶ棚の前。


そんな本を目の前に、花木君は何やら色々本を物色。



「こういうの、読むの?」


「家ではほぼ、この類いしか読まないです」


「へぇ………」


花木君が目視で選んでる横で、辺りに並んでる本をパラパラっと捲ってみると



………。



さっぱり分からん。



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