
陽だまりの仮面 -嘘-
第10章 初デート
いつもなら。
全く興味のない場所なんて即飽きるんだけれど、今日は、別。
楽しそうにしてる花木君を見てるだけでも嬉しくて。
…というか、一緒に今こうして居られるだけでも嬉しくて仕方がなくて。
「ゆっくり選んでて!」
ゆっくり選ばせてあげたいと思ったのと、手を繋いだままだとろくに本も選べないだろうと
繋いでる手を離そうとグッと力を入れてみれば、何故か逆にグッと握られ
さっきと変わらない、しっかりと繋がれてるあたしの、右手。
花木君をパッと見ると、何事もない風に本を相変わらず物色。
「えっと……」
いやいやいや。
物色してるからもっと選びやすいようにって手を離そうとしたのに。
「繋いでたら本、選びにくいでしょ?」
もう1度。
右手にグッと力を入れるけれど、やっぱりグッと握られ、またもや何ら変化なく繋がれる右手。
思わず、繋がれてる手をガン見。
そんなあたしに花木君は、あたしの方を見ずに一言。
「そんなに離したいですか?」
全く興味のない場所なんて即飽きるんだけれど、今日は、別。
楽しそうにしてる花木君を見てるだけでも嬉しくて。
…というか、一緒に今こうして居られるだけでも嬉しくて仕方がなくて。
「ゆっくり選んでて!」
ゆっくり選ばせてあげたいと思ったのと、手を繋いだままだとろくに本も選べないだろうと
繋いでる手を離そうとグッと力を入れてみれば、何故か逆にグッと握られ
さっきと変わらない、しっかりと繋がれてるあたしの、右手。
花木君をパッと見ると、何事もない風に本を相変わらず物色。
「えっと……」
いやいやいや。
物色してるからもっと選びやすいようにって手を離そうとしたのに。
「繋いでたら本、選びにくいでしょ?」
もう1度。
右手にグッと力を入れるけれど、やっぱりグッと握られ、またもや何ら変化なく繋がれる右手。
思わず、繋がれてる手をガン見。
そんなあたしに花木君は、あたしの方を見ずに一言。
「そんなに離したいですか?」
