
陽だまりの仮面 -嘘-
第10章 初デート
「えっ……?」
花木君の言葉に、視線を手から彼へと移すと。
さっきまで本しか見てなかった彼はあたしの方を横目で見てて、思わずドキンと鼓動が跳ねる。
まさか、“離したいですか?”なんて質問されるなんてこれっぽっちも思ってなかったあたしは何て返答して良いのか返答に困り、
「あ、あの……」
なんて、言葉が出ない。
だけど、そんなあたしにお構い無しで再度同じ質問を投げ掛ける。
「そんなに、手。離したいですか?」
今度は、しっかりとあたしの視線を捕えたまま。
しっかりとあたしの鼓膜へと響くくらいの声量で。
花木君の視線と、向けられた言葉にカァと火照るあたしの顔。
離したい、離したくないとかそういうんじゃなくて。
本が選びにくいだろうと思ったから離そうと思ったのに、そう言われちゃうと
そう、阻止されちゃうと
首、横に振るしかないじゃん…。
恥ずかしさで、俯き気味に首を横に振れば、クスッと聴こえてくる花木君の笑い声。
そして、
「良く出来ました」
優しい声と共に、繋がれてたあたしの手は一旦スッと離され、瞬時に花木君の温もりが右手から消え
………あっ…
自分から離そうとした癖に。
自分から離す事を提案した癖に、何だか襲う、何とも言えない寂寥感に胸がギュッと締め付けられる。
矛盾……しちゃってるよね。
僅かに残る花木君の温もりを掴むようにグッと寂しく残された右手に力を入れようとした、瞬間
「じゃぁ、」
――――――へっ?!
花木君の言葉に、視線を手から彼へと移すと。
さっきまで本しか見てなかった彼はあたしの方を横目で見てて、思わずドキンと鼓動が跳ねる。
まさか、“離したいですか?”なんて質問されるなんてこれっぽっちも思ってなかったあたしは何て返答して良いのか返答に困り、
「あ、あの……」
なんて、言葉が出ない。
だけど、そんなあたしにお構い無しで再度同じ質問を投げ掛ける。
「そんなに、手。離したいですか?」
今度は、しっかりとあたしの視線を捕えたまま。
しっかりとあたしの鼓膜へと響くくらいの声量で。
花木君の視線と、向けられた言葉にカァと火照るあたしの顔。
離したい、離したくないとかそういうんじゃなくて。
本が選びにくいだろうと思ったから離そうと思ったのに、そう言われちゃうと
そう、阻止されちゃうと
首、横に振るしかないじゃん…。
恥ずかしさで、俯き気味に首を横に振れば、クスッと聴こえてくる花木君の笑い声。
そして、
「良く出来ました」
優しい声と共に、繋がれてたあたしの手は一旦スッと離され、瞬時に花木君の温もりが右手から消え
………あっ…
自分から離そうとした癖に。
自分から離す事を提案した癖に、何だか襲う、何とも言えない寂寥感に胸がギュッと締め付けられる。
矛盾……しちゃってるよね。
僅かに残る花木君の温もりを掴むようにグッと寂しく残された右手に力を入れようとした、瞬間
「じゃぁ、」
――――――へっ?!
