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陽だまりの仮面 -嘘-

第10章 初デート

「謝ったの理由て、それ?」


思わず目が点になるあたしに


「いや、琉愛はもっとちゃんとした店がいいかなと…」


本気で申し訳なさそうに言う花木君。


「プッ‼」


「………琉愛?」


「花木君?あたし、ファミレス大好きだよ?」


「そうなんですか?」


「うんッ!いつも砂羽と利用してるのは駅前のファミレスだよ?」


「なんだ、そうなんですか」


あたしの言葉にホッと息を漏らす花木君が何だか可愛く見えてしまう。


と、同時に


“女慣れしてたりして”


それもなさそうだな、なんて思ってしまって今度はあたしがホッ。


だって、お店に詳しくないって事はそうなのかなーなんて思うじゃん。


「じゃぁ、行きましょうか」


再度、気を取り直して歩く花木君の隣りのあたしは

さっきまでの気持ちより何だか晴れ晴れしい気持ちへと変化。

ウキウキして、ドキドキしてる気分は変わらないけれど

女慣れ疑惑が少し解消されたから、楽しい気分は更に倍増。


そうしたら、自然と





「そんなに好きなんですか?駅前のファミレス。

僕はファミレスより本屋が好きですけどね」


「ファミレスと本屋、比べちゃう…?」



会話が弾む。



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