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陽だまりの仮面 -嘘-

第2章 陽だまりの・・・・・・

なんて思うのも、束の間。



グイッ



「わっ…!」



背後にピッタリと感じる温もり。

ふわっと鼻に香る、CKの香り。

頬にサラリと触れる、髪の毛。



この3つを瞬時に感じつつ、クソ木山の顔が、目を見開いて、顎ガ――ンとなってる様。



これら全てが合わさった時、ようやく




あたし…抱き締められて…る…?




自分の状況が把握出来て、あまりの緊張に足の力が抜けそうになる。



「あああ、あの……」



チラリとあたしの肩に顎を乗せてる



「花木…君……?」



彼だろうと、確かめようと横目で見ると

彼のトレードマークの黒縁メガネのフレームが視界に飛び込んで来て。




あぁ…やっぱり花木君だ…




あたしを抱き締めてるのが彼だと認識した、この瞬間。




あたし



極度の緊張で




多分……





……心臓が口から出たと思う。






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