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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

「ねぇ?」


「ん?」


「木山君ってさぁ…、あたしのどこが好きなの?」


「へ?!」



…おぇっ。

一々、顔赤くすんの止めて。




「琉愛ちゃんは可愛いし、性格も良いし。いつも笑顔だし優しいし………」



在り来たりな“あたし”をペラペラと褒め讃える木山の話に、興味なんか当然ない。


聞かれたまんま、次から次へとあたしの好きなとこを喋る木山。



そんな木山の話なんて一切無視して、私の頭ん中はまるっきり別の事。



ハァ。

お腹空いたなぁ。

今日、朝抜いて来たからなぁ…。

こいつ待たせてもいいからしっかり食べとくべきだった。


チッ。




「……な、とこが好きなんだ!

琉愛ちゃん、伝わったかなぁ?」


「うん!ありがとう!」



伝わるか。


とか思いながら、心の一切籠ってない“ありがとう”を、作り笑顔満載で返すあたし。



ほんと、嫌な女。






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