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陽だまりの仮面 -嘘-

第13章 失恋

「あれ?花木は?」


「………さぁ?」


「さぁってあんた」



不思議そうにあたしと、主の居ない花木君の机を交互に見渡す砂羽の視線と絡める事なく


あたしは自分の机に荷物を入れ、座り、頬杖付いて視線は、窓の外。


いつも登下校一緒なんだから、当然教室入ってくるのも花木君と一緒だったあたし。


だけど、今日は別々。


しかも、彼がどこに今居るなんて知らないあたし。




勘が鋭くなくても何かあったんだ?と気付くだろうこの状況。


砂羽がツッコまないわけがない。




「何があった?」



あたしの机に今度は砂羽が頬杖付いて、吐き出すように問う。



「べっつに?」



「はいはい。そういうの面倒臭いから。


で、何があった?」



「…………れた」



「え?何?」



「………られた」



「は?何って言ってっか分かんないんだけど?

何て?」



耳に手を充て、聞こえませんジェスチャーをする砂羽の耳元に顔を近づけ、大きく息を吸い、一言。





「振られたの!!!」





周りに聞こえない程度の、最大限大きな声で言ってやった。





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