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陽だまりの仮面 -嘘-

第13章 失恋

「――――は?」



あれだけ聞こえる声で言ったから、今度はしっかり聞こえてたらしい。

少々鼓膜に響き過ぎたのか、耳を擦りながら怪訝な顔をあたしに向ける砂羽。



「誰が?」



「は?」



「誰が振られたの?」



「誰って、あたし」




怪訝な顔の砂羽に、あたしも怪訝な顔で自分に向かって指を差しながら砂羽の問いに応える。





その瞬間――――






「………はぁぁぁああああああああああ?!!!!!!」




教室中をつんざくような砂羽の声が響き渡り

教室中の視線が一気にこっちへ集中。



「ちょ、シィ――――!!!」



黙れと言わんばかりに口元に人差し指を立て、ジェスチャーするあたしの手をグッと砂羽は掴んで



「行くよ!!」



「は?!どど、どこに?!!」



あたしの質問を丸っ切り無視。



力いっぱい腕を引っ張られ、あたしは砂羽に拉致られた。







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