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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心

突如、取り決められた橘からの約束に、唖然としてその場に立ちすくむあたしの肩を、ポンと軽く砂羽は叩き



「明日、楽しみだね」



ニヤリと一言。



「はっ?!どこがよ!!」



この状況を楽しんでる風にしか見えない砂羽をキッ!と睨んでみるけれど



「橘、イケメンだし人気なんだよ?」



あたしの睨みなんて、なんのその。

それどころか




「いいなぁ~琉愛は。

イケメンばっか寄ってくるもんね~。

なのに、あんなショボくれた花木にフラれるなんてねぇ…」



不思議だわ…と言って退ける言葉に、何げに傷つくあたしの心。





―――“花木”




このワードに、まだ一々無駄に反応し、無駄にズキンと痛んでしまう…。




っていうか





「ショボくれてって酷くね?!」




「ショボいでしょーよ。

読書と眼鏡なんて見てくれも何もかもショボいでしょーよ」



「そ、そこまで?!」



「どっちみち、あんたに靡かない男より、惚れてくれる男の方がいいでしょって事よ」



“花木”のワードに未だ反応してしまったあたしに、さっさと忘れな!と言わんばかりの言葉を吐き捨て


ほら、行くよ?と、砂羽は階段を降り始めた。






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