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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心





「おはよ~琉愛ちゃん!」
「牧村さん、おはよう」



「あ、おはよう♪」




今日は花木君が隣りに居ないからなのかなんなのか。

久々の、鼻の下をだらしなくダラ~ンと伸ばしてくる男子共にすこぶる笑顔を振り撒きながら


以前は恒例だった、挨拶運動。



にこやかな笑顔を振り撒けば



「今日も可愛いよな~~」



なんて、当たり前でしょう?

って思わず言いたくなる言葉が後から飛び交う。




―――――だけど。




今日は、いつもとは違う、今までにはなかった言葉も飛び交ってる。



「あれ?今日冴えない眼鏡は?」


「もしかして、別れたとか?!」


「そういえば昨日も一緒に帰ってなかったみたいだし…」




ヒソヒソ話であたしに聞こえないように言ってるつもりなんだろうけど



バカな奴らだから気付いてないんだ。



ヒソヒソ話ほど、人の耳に伝うモノは無いんだって事。


ヒソヒソ話のほうが、聞こえてはマズイ相手に伝わってるって事。



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