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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心

取り敢えず、今のあたしには無駄な

“花木ワード”は禁句。


直接聞いてきたりする勇気も度胸も無い癖に、後ろでヒソヒソ詮索してんじゃねーつの。

黙れっつーの。



あたしは、パッと後ろにクルリと回って、ヒソヒソ好き勝手言ってる奴らを真顔でガン見。


まさか、あたしが振り返るなんて予想してなかったんだろう。

ビクッとしたアホ面してるヤツ

ギョッと鳩が豆鉄砲喰らったかのような間抜け面してるヤツ


揃いも揃って、ほんと抜けた面してるヤツらに、あたしは今までにない極上の

これでもかっていうくらい、とびきりスペシャル琉愛スマイル。




このスマイル1つで、さっきまでヒソヒソと煩かったヤツらはピタリと会話を止め


ぽわ~~んと、更にアホ面全開になったヤツ

キャーキャーと、可愛いだの何だの無駄に騒ぐやかましい女子。

ギャグなのか?ってくらい何を想像したのか

鼻血を出して首後ろをトントンしながら、天を仰いでるバカ。




さっきまで背後で繰り広げられてた情景とは全く違った情景が広がったけど


これでヒソヒソと耳障りな声は聞こえてこなくなったから、あたしは満足。


心の中で、ふんっ!と大きく鼻を鳴らし



再びくるりと前を向いて学校へと向かった。








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