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陽だまりの仮面 -嘘-

第14章 流れる心

そんなあたしのテンションを他所に、砂羽は目の前で1人

あたしと橘の“密会”に妄想を膨らませ終始楽しそうだったけれど…。




「でもさ、」



さっきまで1人でニヤニヤしてた砂羽が、急に真顔に変化。



「ん?」



頬杖付いたまま、目線だけ砂羽方向にチラリ。



「今日、花木遅くね?」



言い終わると同時に顎でクイッと花木君の机に向ける砂羽に



「そう?」



なんて。

興味無い素振りを見せつつ



実は、来てからずっと気になってたりしてた、あたし。


いつもなら予鈴15分前くらいには教室に入って、静かに読書してる花木君の姿が隣りにあるのに

もう、予鈴5分前だというのに、隣りに姿は無くって



何かあったのかな……?



内心、気になってるあたしと



いやいや、あたしには関係ないじゃん



気になる自分を殺そうと必死に心の中から消し去る、あたし



2人のあたしが、教室へ入ってもひたすら戦争中。




――――でも…。




…体調でも崩したのかな……。





結局、心配してしまう自分が勝ってしまうのだけれど…。




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