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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

あたしの言葉を表情何1つ変えず、澄ました顔で聞いてる橘にニコリと笑顔を向け

語尾を上げ“君”を強調。


あたしは演技なんてしてないんだから、黙れ!アホ。


そんな意味を込めての、“君”強調をしたんだけれど



……アホには通じない。



それどころか、







―ガタッ






突如、何も言わず無表情のまま椅子から立ち上がった橘は一歩あたしに近付き



そっと右手を挙げ







な…、何…?!



もしかして、殴る気…?!







咄嗟に頭を抱えるように両手をバッと上げた瞬間












「良く頑張ってるな?」












えっ……――――?










初めて聴く、優しい声色で。

橘の大きな手が、優しくゆっくりと、あたしの頭をポンポンと撫でた。





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