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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

良い子の、あたし。

勉強できる、あたし。

みんなに好かれる、あたし。



どれも、誰かに褒められたくてやってるわけじゃぁない。

誰かに分かって貰いたいと思ってもない。


寧ろ、そういう自分を“演じてる”なんて事

誰にも知られなくないから当たり前なんだけど。



あたしの本性を知ってる砂羽からは

“あんた、良く頑張るね~~”

って言われたけど、これは呆れた言い方。


謂わば、良くやるよ…。


的なニュアンスの言い方。


今の橘みたく、褒めのニュアンスで言われた事なんて当然ながらなくて


本来なら、



何であたしが頑張って来てる事知ってんの?!



ってツッコむ所なんだろうけれど……


もしかして、バレてた?!!



って、焦らなきゃいけないんだろうけれど



ツッコむよりも、嬉しさというか…


何と言っていいか分からない感情が湧き起こってしまって



頭に乗せられた手さえも振り払う事が出来なかった。




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