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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

そんなあたしの気持ちを知ってか知らないでか




「お?

今日は抵抗しねーのな?」





満足そうに、目を細めて笑い

調子づいて、あたしの頭をよしよしと撫でる橘に

ふと我に返り




「ちょっと!!」




頭に乗せられた橘の手を振り払ってやろうと、右手を挙げた瞬間


それを予想してたかのように、あたしの右手は橘の手を振り払う事もなく、橘の手に捕まり




「なっ…」




その手を振り払おうと、右手にグッと力を入れるも振り払う事は出来なくて




「なぁ」




「な…何、?」




「もう、十分頑張ったろ」




「えっ……、」




「もういいじゃん。

もう、十分じゃん?」





な…何言って……







「忘れろよ、“アイツ”の事」







「―――――え…っ」






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