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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

お昼休憩

弁当を食べ終わった生徒達がキャーキャー・ワーワーと思い思いに騒ぎ出し

隣りの校舎や、中庭からありとあらゆる声が図書室へと伝う。



そんな周りの休み時間とは真逆に

さっきまで橘の声を響かせてた図書室内は、シーンと静まり返り

更に、周りの騒がしさを引き立てる。



図書室の大きな窓からは、今日も温かな陽射しが降り注ぎ


橘に手を掴まれたまま、橘の言葉にフリーズしてしまってるあたしと、あたしを真っ直ぐ見つめる橘を、スッポリと柔らかい陽だまりの中へと囲んだ。






―――暫しの、沈黙。





真っ直ぐあたしを見る、橘の視線を反らす事も出来ず

ただただ、橘と視線を絡ませる、あたし。



自分の右手を掴まれて、離そうと抵抗してた右手も



橘の最後の言葉で、右手の力はスッと抜けて

あたしの右手は橘に捕まったままの形で宙を彷徨う。




そんな中





最初に沈黙を破ったのは、






「………はっ?」





あたし。






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