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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

「もう、十分だろ?」



――――ドクン…




「もう、これ以上頑張らなくていいだろ?」




――――ドクン、ドクン…




「俺なら出来る」



「……え?」




俺なら……出来る…?




「俺なら、」



……?




「“そのまんま”の…

そのまんまのあんたをずっと大事にしてやれる」






俺なら、それが出来るよ。


と、優しく、それでいて強い口調で。





「そのまんまの…あたしを…?」




「そう。

そのまんまの、あんたを」




そう言って、少しだけ目を優しく細め、




「あんたを俺は頑張らせないよ」




「ッッ…」




ふわりと笑って





「好きだ」





一言、呟くように言い


グッとあたしの右手を引いて、自分の胸元へとあたしを導いた。







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