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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

あたしの身体の力が抜けた事が橘にも伝わったのか、否か。


同時に、あたしの身体を抱き締める力が更にギュッと増す。



そして。



耳元で、再度呟くような、囁くような

小さく、そして優しい声で





「好きなんだ。マジで」





「…………。」





「俺、」





「……?」





「“他の奴ら”とは違うから」





「――――え……?」





他の奴らって……?





どういう意味か分からず、思わず声が漏れる。


すると、橘はスッと少しだけあたしから身体を離し、少しの間だけ免れてた真っ直ぐな視線が、再びあたしの視界を捕えた。





「あんたを取り巻くミーハーな奴らと、俺。

一緒じゃねーから」




本気だから――――。





そう言って、ふふっと優しく目を細めて微笑した。










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