テキストサイズ

陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

――――いつも。


というか、今まで。



あたしに寄ってくる男は当たり前に沢山居て、沢山の男から



「好き」



なんて、軽く言うミーハーなヤツらが多かった。

あたしの容姿

偽物の、愛想良くていつもニコニコしてる、あたし。

そんなあたしの外っ面しか見てないミーハーな男共の、薄っぺらい


「好き」


この言葉は飽きるほど、腐るほど聞いて来た。


そんな薄っぺらい告白にドキドキなんてするわけもなく

ただ、あたしが抱いた感情は



クソ男が。


の一言と、不快感。


ただ、これだけ。







――――だったけど。







今は………何…?




「本気なんだ」




そう、呟くように耳元で囁き、再びあたしを自分の胸の中へと引き寄せる橘に


クソ橘如きなのに




ドキドキ胸が激しく鼓動してしまう…






……それだけじゃぁ、ない。








ストーリーメニュー

TOPTOPへ