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陽だまりの仮面 -嘘-

第15章 流れる心 2

心の隙間に射し込むような、橘の告白が





「俺を利用してもいいからさ」




「……え?」




「俺に流れて来てよ」





――――ダメだ…。




砂羽の


“誰かに流されてもいいんじゃない”


の言葉と


悔しいかな。


橘の


“もう、頑張らなくていいんだよ”



この言葉が頭の中を激しく駆け巡り

心が震え





「何で、?」




「え?」




「何で、泣いてんの?」




「泣いてなんか…「泣いてるよ?」





左頬を一筋

ツーッと伝う涙を橘に指摘され、初めてそこで自分が泣いてる事に気付いた、あたし。


必死に泣いてる事を隠そうとするも



時、既に遅し。





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