
陽だまりの仮面 -嘘-
第15章 流れる心 2
ただでさえ傷心なあたしの心に、ズカズカと土足で踏み込んで来て
今までにない、初めてと言っても過言ではないくらい
真剣な、“好き”。
第一印象は最悪だったクソ橘だけれど、この告白は嘘じゃないっていうのは何となく目を見たら、分かる。
だけど……あたしはこの気持ちに応えるワケには
だって、あたしは花木君が…
でも………
“琉愛の事は好きじゃない”
花木君の心は、あたしじゃあない…。
“恋を忘れるには、次の恋、ってね!”
“誰か本気で告ってくるヤツが居たら、流されてもいいんじゃない?”
“好きだ”
“俺に流されてよ”
“俺と始めようよ”
土曜からの出来事が走馬灯のように頭の中を駆け巡り
―――――もしかしたら。
冷静さも欠けてるのかもしれない。
色々有り過ぎて、ちゃんとした判断が出来てないのかもしれない。
だけど
「俺と付き合ってください」
今更ながらに改めてペコッと頭を下げてみせる橘。
その姿にあたしの心はザワザワ・ドキドキ…
最大級に、複雑。
――――だけど……。
