
陽だまりの仮面 -嘘-
第16章 2つの腕
フッた後も何事もないように接し、しかも“彼氏役”を続けようとする花木君。
今も、こうして何喰わぬ顔してあたしの前に現れた。
そんな花木君の行動の真意が全然分からず、フラれたのにあたしは更に悩むハメになった。
だからこそ、どうしてなのか聞きたかった。
今なら聞ける……
そう思ったから聞いたのだけれど
♪キーンコーンカーンコーン♪
どうして……?
あたしの問いと同時に都合良く、というか何というか。
予鈴の鐘の音が校舎に鳴り響いた。
あたしはじっと花木君の視線から逃げる事なく真っ直ぐ視線を絡め
それでも問いの返事を待っていたけれど
「…………。」
「…………。」
返事が返ってくることもなく…
「………行こう」
あたしの腕をギュッと握り、教室へ戻ろうと視線で促す橘。
と
「一緒に教室へ戻りましょうか」
あたしの問いに応える事もなく、変わらず手を差し伸べたままニコリと笑う花木君。
差し出された腕と、握られた腕。
――――あたしは
「うん」
小さく頷き
「行こう」
立ち竦んでた足を1歩、図書室の外へと踏み出した。
橘と、一緒に。
今も、こうして何喰わぬ顔してあたしの前に現れた。
そんな花木君の行動の真意が全然分からず、フラれたのにあたしは更に悩むハメになった。
だからこそ、どうしてなのか聞きたかった。
今なら聞ける……
そう思ったから聞いたのだけれど
♪キーンコーンカーンコーン♪
どうして……?
あたしの問いと同時に都合良く、というか何というか。
予鈴の鐘の音が校舎に鳴り響いた。
あたしはじっと花木君の視線から逃げる事なく真っ直ぐ視線を絡め
それでも問いの返事を待っていたけれど
「…………。」
「…………。」
返事が返ってくることもなく…
「………行こう」
あたしの腕をギュッと握り、教室へ戻ろうと視線で促す橘。
と
「一緒に教室へ戻りましょうか」
あたしの問いに応える事もなく、変わらず手を差し伸べたままニコリと笑う花木君。
差し出された腕と、握られた腕。
――――あたしは
「うん」
小さく頷き
「行こう」
立ち竦んでた足を1歩、図書室の外へと踏み出した。
橘と、一緒に。
