
陽だまりの仮面 -嘘-
第16章 2つの腕
あたしの腕を握る橘の腕を、逆にあたしは握り
橘を引っ張る形で花木君の前から横を通り過ぎる。
……けど。
俯いて通り過ぎようとするあたしにひしひしと、痛い程刺さる
花木君の視線。
視線が……痛過ぎる……。
花木君の真横に並んだ時
その痛い視線から逃げるようにギュッと固く目を瞑り
逃げるように少し足早に通り過ぎようとした。
と、その時
「俺がいるから」
「――――え?」
あたしにしか聞こえないくらいの小さな声が頭上から降り
声につられ見上げると
そこには橘の優しい微笑。
そして、何も言葉を発しないけれど、橘の腕を掴んでたあたしの腕をそっと離し、
ギュッと、優しくあたしの手を取りニコリと微笑んだ。
その笑みと、手の温もりから花木君の登場で終始震えてた心が少しだけスッと楽になったあたしは
ニコリと橘に微笑み返し
2人、並んで図書室から出た。
――――はずだったのに!!!
橘を引っ張る形で花木君の前から横を通り過ぎる。
……けど。
俯いて通り過ぎようとするあたしにひしひしと、痛い程刺さる
花木君の視線。
視線が……痛過ぎる……。
花木君の真横に並んだ時
その痛い視線から逃げるようにギュッと固く目を瞑り
逃げるように少し足早に通り過ぎようとした。
と、その時
「俺がいるから」
「――――え?」
あたしにしか聞こえないくらいの小さな声が頭上から降り
声につられ見上げると
そこには橘の優しい微笑。
そして、何も言葉を発しないけれど、橘の腕を掴んでたあたしの腕をそっと離し、
ギュッと、優しくあたしの手を取りニコリと微笑んだ。
その笑みと、手の温もりから花木君の登場で終始震えてた心が少しだけスッと楽になったあたしは
ニコリと橘に微笑み返し
2人、並んで図書室から出た。
――――はずだったのに!!!
