
陽だまりの仮面 -嘘-
第16章 2つの腕
図書室から廊下へと出て、廊下を歩こうとした瞬間
グイッ
「キャッ…!」
突如、橘と繋いでない反対の腕に圧力が加わり
グッと凄い力で後ろへと引き寄せられ
その拍子に身体のバランスを崩したあたしの身体は
CKの香りと共に、温もりに包まれ
「おい!!!おま…「ご苦労様」
自分の腕からあたしを引き離された橘は直ぐ様後ろを振り返り
背後からあたしの首元へ左腕を回し、あたしの右肩へ軽く顎を乗せ
静かに言葉を投げる花木君は、橘の言葉を遮り
「おい!!!」
ピシャリと図書室の戸を締め、内鍵を素早く締め、橘とあたしの間を遮断した。
橘は図書室の戸をドンドン叩き
「いい加減にしろよ!!お前!
開けろよ!ここ!!!」
と花木君に怒鳴ってみせるけれど
「君の今日のお役目は終わりです」
「は?!」
「もう“彼氏”の僕が来たんですから、いつまでも君は必要ないと言ってるんです」
「何言ってんだよ!!
お前と琉愛ちゃん、もう終わってるだろうが!!
いいから彼女を離せよ!!」
ドンドンと戸を叩いてみたり、ガタガタを鍵が開くように戸を揺らしてみたりしながら怒鳴り声を上げる橘に、花木君はいつもと変わらない声で静かに言葉を返していたのに
橘のこの言葉で、初めて
「――――はい?」
………え…?
花木君の声色が、変わった。
グイッ
「キャッ…!」
突如、橘と繋いでない反対の腕に圧力が加わり
グッと凄い力で後ろへと引き寄せられ
その拍子に身体のバランスを崩したあたしの身体は
CKの香りと共に、温もりに包まれ
「おい!!!おま…「ご苦労様」
自分の腕からあたしを引き離された橘は直ぐ様後ろを振り返り
背後からあたしの首元へ左腕を回し、あたしの右肩へ軽く顎を乗せ
静かに言葉を投げる花木君は、橘の言葉を遮り
「おい!!!」
ピシャリと図書室の戸を締め、内鍵を素早く締め、橘とあたしの間を遮断した。
橘は図書室の戸をドンドン叩き
「いい加減にしろよ!!お前!
開けろよ!ここ!!!」
と花木君に怒鳴ってみせるけれど
「君の今日のお役目は終わりです」
「は?!」
「もう“彼氏”の僕が来たんですから、いつまでも君は必要ないと言ってるんです」
「何言ってんだよ!!
お前と琉愛ちゃん、もう終わってるだろうが!!
いいから彼女を離せよ!!」
ドンドンと戸を叩いてみたり、ガタガタを鍵が開くように戸を揺らしてみたりしながら怒鳴り声を上げる橘に、花木君はいつもと変わらない声で静かに言葉を返していたのに
橘のこの言葉で、初めて
「――――はい?」
………え…?
花木君の声色が、変わった。
