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陽だまりの仮面 -嘘-

第16章 2つの腕

「花木、お前いい加減「いい加減にするのは君のほうでしょう?」




「はっ?」




本鈴が鳴っても、まだなお廊下と図書室との間で行われる攻防戦を繰り広げる橘と花木君だけれど

橘の言葉を遮った花木君の声は、ただでさえいつもより低いのに更に低く、静かで



一気に、空気が冷たく張り詰め、思わずゾクッと震えてしまったくらい。




そんな中





「何度も言わせるなと言ってるんですよ。

“琉愛”と呼ぶなと言ったはずですよ?

今日はもう君は用済みです。



では」




言い終えると同時にあたしから身体をスッと離し






「じゃぁ、こうしましょうか」





………?






「選んで貰いましょうか」






え……らぶ………?






「琉愛に、僕か君か。

どっちに着くか」






え……









えぇぇぇぇええええええ?!!!








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