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陽だまりの仮面 -嘘-

第17章 陽だまりの中で・・・・

壁の中に身体が埋まってしまうんじゃないかってくらい、壁にピッタリ身体を付け

花木君からの壁ドンから少しでも逃れようとするけれど


黒縁眼鏡の奥の瞳を柔らかく細め下げ、あたしを見下ろすけれど

表情とは裏腹に、少しばかり相変わらず低い声に





ドクン…





動悸が打つ。




“何で?”って言われても…

それは、単純な話




「よ…呼ばれた、から…?」




話があると言われたし、半ば強制的だったのもあるけど。


ほぼ、真上から静かに見下ろす花木君の視線を上目で、完全挙動不審の如くオロオロしながら答えると




「ふ~~~ん?




で?」






なんて、低い声で返してくる花木君に、あたしは更に挙動不審。

チラッと花木君を見上げてみれば、先程と何ら変わらず、静かに、且つ、涼し気な表情のまんま、あたしを見下ろしていて


さっき、少しだけ笑みで下がってた目尻も、元の位置。




「で、って?」




何かな?的な意味で、ヘへっと笑ってみせるけれど




「で?」




あたしの笑みに同調する事なんて一切無し。

たった一言の

文字にすると、たった一文字に更に強調気味に返し

ニコリとも笑わない彼の表情は、声とプラスされて

涼しいを通り越して

もう、怖い…。






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