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陽だまりの仮面 -嘘-

第17章 陽だまりの中で・・・・

必殺、琉愛ちゃん笑みさえも通用しない、今。

この場をどう、抜けようかとそれしか頭になくて



「ちょ、ちょっと離れ「で、?」



身体を少し捩じりながら、囚われてる腕の中から抜け出そうと試みてみたけれど、再び頭上から降る



“で?”



の一言に、チーン。





――――て、いうか。





で?って言われても……。


呼ばれたから本当に来たわけで。

あたしから誘ったわけでもないし、来なかったら迎えに来るとか言うから、半脅し的な感じだったし。


呼ばれて来た


これ以上でも以下でも何でもないんだけど……。




何て返していいのか分からず、困惑気味なあたしに花木君は、何故かここでクスッと笑って




「で、


“動かされた”と…」





さっきまでの少し怖色だった声から一変。


いつもの優しい声に変わり、





「え?」




花木君の言葉に思わずパッと見上げたあたしに




「橘“君”の気持ちに、動かされたんですね?」





ふわりと眼鏡の奥の瞳を細めた。




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