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陽だまりの仮面 -嘘-

第3章 美女とメガネ

―――――それから。


図書委員の仕事を終えるまで、花木君は陽だまりの中、静かに読書。


…あたしが図書委員を始めて、花木君が図書室に居るのを見るのも初めてで。


初めて尽くしの1日にどぎまぎ。



『あの…花木君……?』


『何?』



ゆっくりと、視線を本からあたしへと流す花木君。



『委員終わったんだけど…』


『じゃぁ、帰りましょうか』


『へ?!』



予想外の彼の言葉に驚き過ぎて1歩後退り。


当の本人はしれっとした顔で、本を机でトントンとブックカバーを整え


『そんな驚く事でもないでしょう。
一緒に帰るのは、当たり前でしょう?』



まるで、何言ってんの?的な風で言われた。


まさか、下校も一緒だなんて思ってなかったあたし。



『もしか…して…?』


『…はい?』


『下校もって事は……』


『登校もですよね?』




マジですかッッ!!!




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