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陽だまりの仮面 -嘘-

第1章 2面性

後頭部を擦りながら、文句の1つでも言ってやろうと


「ちょっと、あんたねー……」


砂羽を睨んで不満を吐き出した瞬間、


「琉愛ちゃん!大丈夫?!」

「宮本!お前、牧村さんに何てことすんだよ!!」

「琉愛ちゃぁぁああん!!」



砂羽に叩かれた現場を抑えた取り巻き共がオロオロした様子で寄って来てしまって。

1発砂羽の頭を殴り返してやろうかと思ってたのに、それをしてしまったらあたしの印象が崩れてしまう。



「だ、大丈夫ぅ~!心配してくれてありがとうぉ♪」



引き攣りそうになるのを必死に頑張って作り笑顔を向けてアピール。


殴られも怒られもしない砂羽は、少し離れたところでケタケタど大爆笑。



…チクショー。



気が弱くて、か弱い、牧村琉愛。

女らしくて優しい、牧村琉愛。


それが、全て偽物という事実を唯一知ってる砂羽。

だからこそ、朝からあたしの頭を叩いても何も仕返しされない事を知ってる知能犯。



…絶対、後で仕返ししてやる。



やられたら、やり返す。

本来のあたしは執念深いんだよね。










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