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Sincerely

第4章 夢見る少女が消えた日。後編

「今日は弟とドライブするんだけど、一人じゃ寂しくてさ」

弟さん、いるんだ。わたしは一人っ子だから、その辺の心の機微はよく分からないや…。
なので邪魔にならない程度の相槌を打った。
つまらない子だと思われたかも……。

目的地に向かう車の中はこんな感じだった。
ヒロヤが話して、わたしが相槌を打つ。
無理にはしゃぐなんて、わたしには出来ないから。

でも時々ヒロヤは、わたしが話し易いように会話を膨らませてくれた。
こういうトコ、大人なんだな…
彼女さんにもこういう姿を見せているんだろうな。
そう思ったら、心の奥がすごくモヤっとした。

変だ、わたし。
彼氏がいるのに、もうヒロヤに惹かれてる自分の気持ちを否定出来ない───

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