テキストサイズ

Sincerely

第4章 夢見る少女が消えた日。後編

「ゴメン、二人ともお待たせ」
「おかえりー。せっかくのドライブだったんだけど、オレ用事が出来たんで、先に帰るわ。兄貴はユミコちゃんともう少しゆっくりしていく?」
「そうだなー…ユミコちゃん、どっかスイーツでも食べてく?」
今ヒロヤと二人きりになって、彼を詰らずにいる自信はわたしには───ない。
なので、首を横に振った。
「すみません、わたしも明日から学校に戻るから…今日は早めに帰ろうかなぁって」
無理やり顔に笑顔を作ったけど…
気づかれてないだろうか?

「じゃあ送るね。さっき待ち合わせた駅でいい?」
小さく縦に首を振る。
何かユミコちゃんを振り回しただけになっちゃったな、なんて呟きながら、ヒロヤは車をスタートさせた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ