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Sincerely

第4章 夢見る少女が消えた日。後編

その後は、お互いずっと無言だった。
わたしがヒロヤの車を降りるまで。
そして、降りた後わたしは小さくヒロヤに手を振って、
振り向かずに走って家に帰った。

独りになりたかった。
ただ無性に叫びたかった。

部屋に入って、ベッドに飛び込んで。
布団を被って叫んだ。
何度も、何度も。
気がつくと、わたしの頬は涙で濡れていた。


嫌いになれたらきっと楽だ。
でも、今のわたしは。

ヒロヤを嫌ったり憎んだり出来ない───!!


喉が嗄れるまで叫んで、泣いた。

そして、決めた。
ヒロヤの事を嫌いになれないから、このまま表に出さずに好きでいよう、と。

その決意がけして正しいものだなんて、
思わないけれど───

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